2011年2月9日

私たちにとっての農業

ツイッターで日本の農業をなげく前に土を作れ,種をまけ,苗を育てろ!
…と少し前の自分に説教したいあべっちです。
今回は,私たちにとっての農業について書きたいと想います。
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日本の自給率を上げたいだの,食の安全を守るためだの,農業は実は儲かるからだの,
新規就農者達がそれぞれの農業を目指した理由はたくさんあると思うのだけど,
私たち夫婦のそれはちょっと違う気がする。

私たちの農業は「毎日のていねいな暮らし」の先にあるものなのだ。

私はそれまでは手作りに興味があるわけではなかった。
1人暮らしの頃からエコに興味はあったけどそれはただの節約生活でしかなかった。

でも,奥さん(ゆき坊さん)と出会ったことで全てが変わった。
それまでパソコンの中でしか自己表現出来なかった私から見ると,
楽しみながら何でも手づくりする生活が新鮮で,そんな奥さんに影響されまくった。

奥さんもまた,「月の食費は2人で2万円」というとんでも無いハードルを作った
私との新生活が始まってからは今までにないスピードで急成長していった。

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手作り石けんやシャンプー,リンス,化粧品,虫除けスプレーにお掃除グッズ,
お弁当を含めた3度の食事はもちろん,丸パンやカンパーニュなどのパン類,
そして焼き菓子やゼリーなどのお菓子も焼くわ揚げるわこねるわ泡立てるわで。

なにせこの金額でやりくりするには外食はもちろん,スーパーでうどんなどを
買う余裕も無い。どうすればいいのか。答えは簡単,それはひたすら手作りだ。

小麦粉や強力粉などをまとめ買い(25kg)して単価を下げ,その粉を使って
パンにお好み焼きにうどん,餃子にピザにホットケーキなどなどを作るのだ。
スーパーで買うよりも安いし,量も食べられるし,なにより美味しいし。

小麦粉だって大量購入すれば単価が下げれる上に,北海道産の上質なものも
選んで買えるようになる。美味しい粉があるからまた料理をしようという気にもなる。
食パン,うどん,餃子はもう買わないで作るなどと掟を増やすとまたやる気が出てくる。
食べたくなったら買う,ではなく,食べたくなったら作るのだ。

そんな手作り生活の中で,
生ゴミはミミズコンポストに投げ込んで土に戻したいと話し,
味噌を仕込んでいる最中にはこの大豆もいつか作ろうと作り方を調べたり,
果物のジャムを作りながら無農薬だったら皮まで使えるのにねと残念がったり,
焼き菓子を焼く度に鶏も飼って卵を作りたいねと夢を語ったりと,妄想をふくらませた。

とまぁ,私たちの農業&田舎暮らしへのきっかけはそんな動機なのだ。
これまで以上に手作りいっぱいの生活をするためであり,食事を楽しむためなのだ。

だから例え農業などで野菜が売れてきて忙しくなったとしても,ご飯がカップ麺だの,
コンビニ弁当だののそんな生活にはならない。そんな毎日を望んではいない。
食を司る農家だからこそ,毎日の食事が,生活が,豊かであるべきだと思う。

これからも一生,美味しいものを楽しく手づくりしていきたい。
そこに自給率上昇や安全なども自然とついてくるはずだから。

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