2011年5月18日

そらいろ農園が進む道

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(ようやく発芽に成功した山科ナスと固定種のステラミニトマト。夏に間に合うか!?)

そらいろ農園,園主のあべっちです。
今回は私たちが目指すそらいろ農園の進む道についてお話をさせてください。

来年から仕事を辞めて長野で専業農家になると言うとびっくりされるか笑われます。
目の前で気持ちが良いくらい笑ってくれたいじわるばあさんも居ます。
更に有機農法で,無農薬で野菜を作って販売すると付け加えるとその笑いも止まります。
(慣行農法の方には極力,言いません)

しかもまだ2歳の幼児が居て,家を買うために抱えた数百万円の借金があり,
修復に500万円は必要と見積もられた風呂も使えない雨漏りボロ古民家をかかえ,
もちろんビニールハウスや耕耘機もトラクターも農業資材も無く,
だめ押しは貯金が現在2万円(2011/05/18現在)です。

更には長年住んで奥さんと一緒にいろいろやってきた市川に比べると
長野県には最大の武器であるコネや友人もないわけで…。
温暖な千葉とは全く違う寒冷地で例えうまく野菜を作れるようになっても,
それが売れてお金になるかどうかなんて分からないわけです。

そもそも農業で食っていくってだけでも不安だらけなのに,今の私には
この家を快適に住めるまでに回復させるDIYのスキルもありゃしません。
そうですね,2*4材で簡単な置き棚が作れるレベルです。

こうやってまとめて書いてみると我ながら無謀だと思います。
プラスどころか0にたどり着くまでに何年かかることか。
正直,子供を高校まで行かせるお金を稼ぐ自信も完全にはありません。

…ただ。
こんな状態でも最後には成功し,夢は叶うと私は信じていたりします。
どうしてそんな風に思えるのかと思うでしょうか?

それは,私たち家族の成功がお金儲けではなく,その生活そのものだからです。

自分たちで手づくりした安心な野菜を使ったおいしい料理が1日3度の楽しみで,
私たちも子供も空気と水がおいしいド田舎で自然の恵みを体いっぱいに感じて生活する。
そんな毎日を送ることが私たち家族にとっての成功なんです。

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(先日,GWに長野の家の側で撮影した1枚。長野県長和町和田は水がとても綺麗です。)

貧乏だから毎日,一生懸命に働きます。借金返済までは外食も出来ません。
朝は太陽と一緒に目を覚まし,畑を耕しタネをまき,鹿やカラスを追い払い,
汗水を流して働くでしょう。暗くなれば眠くなり,風呂に入れば夢の中。

お金が無くて辛いことも多いでしょう。
1度や2度は辛くて泣くかも知れません。
だけど,それとは比べものにならない位に感謝と幸せがやってくると思うのです。

お金が無いからこそ,お客さんが出してくれる100円に,そしてそれと引き替えになる
自分が一生懸命作った手づくり野菜への感謝もふくれます。

田舎暮らしだからこそ,自然と手づくりが多くなって家族の共同作業も多くて,
家族一緒の時間が長くて会話が多くて笑顔が絶えなくて。

私は息子と一緒に鶏の小屋を改装したり鶏の卵を採ったりします。
嫁さんはその卵で毎朝,卵焼きを焼いてくれます。
その頃にはもしかしたら娘も誕生してるかもしれません。
その頃には山羊も仲間入りしていて山羊ミルクも一緒に飲めるかもしれません。

なんて夢を書き綴ってしまいましたが,5年後には,実現しちゃってるかもしれません。
そんな良くなるかも知れない,悪くなるかも知れない,明日をも知れぬ不安定な私たちの生き様を
どうか応援して頂けたらと思います。

つまるところ,そらいろ農園が目指す商品は「自分たちが安心して食べられるもの」です。
なにせ仕方なく農薬を使う農家さんも自分たちで食べる野菜は売る物と別に作ったりしてる時代です。
これが何を意味しているか分かりますでしょうか?…おっと,話が逸れました。

さて,長野への移住は予想だにしないアクシデントで1年先延ばしになりましたが,
長い人生,こんなこともあるのかと腹をくくり,こちらで出来る限りの種を蒔いてみてます。

そんなわけで頑張っておりますので,
私の人生そのものであるそらいろ農園をどうかよろしくお願いいたします。


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(ついに購入できた車「そらいろカーゴ」。いろいろ積めますっ)
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(ボカシ肥。手間と時間はかかるけど微生物たちが野菜のおいしさと健康を守ります)

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