2017年6月28日

苗の仮植作業を進めてます

阿部です。ぶどうの苗木の仮植作業を進めてます。なにせ10000本近く苗木を作ったのでそれらを全て仮植するとなるとなかなか骨が折れる作業です。あ、そうそう骨折といえば先月、左手の指先を3本折ってしまってます。少し痛みはありますがこんなものはなんの問題にもなりません。私は心身共に成長しました。やるべきことをやるだけです。
土から引き抜かれたワインブドウの苗木
さて、こちらは掘り上げたワインブドウの苗木なのですが品種が分かる方がいらっしゃったらすごいです。もう少し成長しないと葉っぱを見てもわかりませんよね。答えはカベルネ・フランです。根も新梢も順調に伸びてくれて嬉しい限り。今日は1100本を掘り起して・・・

19:36までかかって植えつけました。なんて私が頑張っているように書いてますが、私が遅くまで作業すれば、妊娠9か月の奥さんが薪割りをして風呂焚きなどの作業をしなければいけません。申し訳なさでいっぱいになります。私はやりたいことをやらせてもらっているだけで、頑張ってるのは奥さんです。なのでもしクリティカルなワインが作れたらそれは彼女のおかげです。

それでも疲れてもう嫌になった時は誰かの顔を思い浮かべます。ユーモアのある息子、尊敬する母、命を繋いでくれてから死んだ父、プログラマー時代にお世話になった先輩、職場だった学校の先生方、頑張ってる友人、役場の人、頑張ってと言ってくれた人たち…。みんな今、何をしてるんだろう。きっとみんな頑張ってると思うと私もまた少しだけ頑張れるんです。


あと変わったことといったら。息子が上田市の公園でコクワガタを捕まえまくってます。

公園で虫を探す息子(8歳)
私と息子は公園内の樹を見て回り、妊娠中の奥さんは木陰で本を読んで待ってるといううちのパターンです。今年もまたバナナトラップをしかけました。0円で遊べるなんて田舎暮らし最高ですね。

そうそう、うちの猫のトトラ君。ネコなのに呼べば来るし人懐こくて遊びに来る子供たちにも人気者なんです。そんなトトラ君が野良猫(エサを与えられてるけど飼い猫じゃないやつ)に毎日怪我を負わされて困ってます。傷の上から傷を受けること5回、これ以上は命に係わりそうなので外出禁止にしてます。

  
奥さんが毎日作ってくれてるお弁当にも感謝。ようやくズッキーニ、キュウリ、ピーマンなども獲れだして畑もにぎやかになってきました。


明日も6時から東御市の研修先のワインブドウ畑の防除です。欧州系のワインブドウに触れている間、自分の気持ちが穏やかになっていることに気が付きます。好きなんですね。ではおやすみなさい。






2017年6月17日

少し成長してきたワインぶどうの苗木たちです

圃場に植えられたワインブドウのシャルドネの苗(買ったやつ)
そらいろ農園の阿部です。上の写真は私の初めてのぶどう畑となった圃場「柿の畑」です。写真中央奥の大きなこの木なんの木が柿の木なのでそう呼んでます。

こちらは2反ちょっとの圃場で東京からワインを造るためにやってきたNジマさんと半分の管理(というか半分半分)となってます。2つの圃場を石垣を取り払ってくっつけたのですが、こうしてみてみるとやってよかった。景観の広がりが違いますもの。

この圃場の作業的にはシャルドネ70本の定植が終わったので、残りの支柱立てとアンカーうち、針金張りなど、、、まだまだありますね。でも辛い作業も続けてればいつか終わるし、日々成長しているぶどうの苗を見てると頑張らなきゃという気にさせてくれます。自然のような、人口のような、その合間の畑。とにもかくにも私とこのブドウの苗たちは一緒に生きていくわけですから仲間意識が生まれてます。
圃場に植えられたワインブドウのシャルドネの苗(自分で接いだやつ)
土日に圃場に行ったときや仕事終わりにじぃーと観察したりしてます。どれだけ雨が続いたら病気が出るのか、病気になった葉はどうやって回復しているのか、どこまでだったら回復できるのか、どこからボルドー液(殺菌剤)が必要になるのか、まだまだまだまだ理解が足りないけど少しずつ分かってきたこともあり、ノートにまとめてます。

例えば市販のボルドー液は有機認証(オーガニック)されてるし、私の尊敬するドメーヌ達も使ってるし、オーガニックと聞けば消費者の皆様もOKだと思っていて、私も気持ち的には使っても良いのですが、それでも出来るだけ使いたくないし、使うにしても出来るだけ量を減らしたい。この意識を持ち続けて上を目指し続けることこそが良いものを作る道と考えているからです。

ちなみにメルシャンの栽培担当の方も去年、現地で、「ボルドーは香り重視の品種には使わない」と言ってました。つまり硫黄や銅は味や香りに多少なり影響するのです。

自家配合の農薬、いや、栄養剤といえばいいかな?の写真
試してみてる自家配合の栄養剤。どれだけ効くのか、効果はどれだけ続かないのか。気持ち程度のものですが、その気持ち程度の物もまくタイミングや環境、樹の成熟次第ではある程度は効果的になるのではないかと。そんなことを考えながら今日もブドウのことを考えてます。


全てはおいしいぶどうとおいしいワインのために。

2017年6月12日

ぶどうの病気も勉強になってます

長野県長和町でワインの作り手、阿部っちです。

うれしいことに長和町での作業中、散歩をする方々に「頑張ってね」などと声をかけてもらえるようになりました。人の見えるところで作業するって大切ですね。おもろ話としては猛烈な花粉症で鼻水たらしてうずくまっていたら「一生懸命やるしかないぞ、頑張れー!」と声をかけられたことでしょうか。後から聞くと私がひざまずいて悔し涙を流してると勘違いしたそうです(笑)。


さて、写真は研修先の信州うえだファーム(JAの子会社です)が管理している東御市のサンファームのシャルドネの誘引の様子です。この圃場を2年目の研修生である我々が管理させていただいてます。

誘引の方法は…伸びてきた新梢を2本のワイヤーで挟み込むだけ。そしてトップワイヤーまで来たらテープナーで先っちょを固定するだけです。全ての新梢を各ワイヤーに全てテープナーで止める農家を2件知ってますがとても大変です。この方法ならば時間も経費もぐっと短縮出来ますので検討してみてください。(ちなみに私は更に簡単で丁寧に誘引出来る方法を考えました!こうご期待♪)

さてさて、こちらは私が自分の圃場に先日定植したシャルドネ(台木3309)です。写真で分かりますでしょうか。新梢の茶色くなっている部分、ここの新梢に黒とう病が出ました。それが圃場全体に広がりかけていたのでこの数日は要観察状態でした。

黒とう病は早春に雨が降り続くと発生し、葉であれば茶褐色の斑点が出て枯れ、穴が空いていくという病気です。ひどくなれば果実にも発生します。圃場整備からで草も何もない状態での植え付けといことで今回私は自分で黒とう病が好む環境を作り出していたのです。ごめんね、ブドウたち。


数日観察したところ、今回はぶどうたちの力が勝り、回復の兆しが見えました。ただこの菌は越冬するので来年もこのまま同じ環境で来年の萌芽を迎えた場合、おそらく再び発生することでしょう。この病気が広がらない環境を来年春の萌芽シーズンまでに作っておかねばなりません。楽しみです♪

10000本の苗たちも植え替えを待ってます。忙しくて時間が足りずなかなか進まないうちにこちらにはべと病が出てしまってます。もう待ったなしの状態です。急がなければ!

2017年6月6日

接ぎ木苗の仮植、最高品質のためにいろいろやりマウス

自分で接いだシャルドネの苗
前回のブログで「定植してますよ」とお伝えしたのは購入した苗木のシャルドネ70本でした。ワインブームの到来でワインぶどうの苗木不足になっている昨今ですが、これは友人の厚意で70本だけ手に入ることが出来た貴重な苗なのでした。

で、写真は接ぎ木したシャルドネです。千曲川ワインアカデミーで教わったやり方です。1箱105本(やろうと思えば130本)、入れることが出来ます。温室での育苗期間を終え、根も生えたのでいよいよ畑に植える適期となったわけです。

箱のふたを開けるとこの通り。土がぎっしり詰まってます。接ぎ木を箱に収める際、こてで押し付けたのですが、壁塗りを思い出してちょっと強く押し付けすぎたかもと心配してましたが、、、

315本中、305本は台木から根がしっかり出ていたのでやり方に問題はなかったみたい。ほっとしました。


問題はこの根です。台木じゃなくて穂木の部分から出ちゃってますね。この根で養分を吸ってしまうと接いだ意味がなくなってしまいます。念のためカットしてから植えつけましょう。、、、と聞いたのですがどうせ土や水に漬けなければ勝手に枯れるだろうから途中からそのままにしました(笑)。

長野県長和町日向地区のワインブドウ用圃場
仮植はまとめて植えたほうが管理がしやすいとアカデミーでは教わったのですが、そうはいっても直接植えれたら良いこともあるかもしれないと思い、少しだけ圃場に直接植えつけてみました。これなら来年の春に掘り起こして定植する必要がありません。管理は大変ですが、やってみる価値はあります。

そしてよくご覧ください。なんと品質を上げるために高畝での定植となってます。これにより枯れるリスクは一段と高まりますが、なんとか根が伸びるまで耐えてくれれば、根は下に張りますので高品質ワインに1歩だけ近づくことが出来ます。定植して6日経過しましたが今の所、生きてます。8割活着してくれたら成功とします。
圃場の異常なほどある石
更に、以前にも書きましたがこの畑、笑えるくらい石が多く、今ではちょっと笑えなくなりました(笑)。ご覧ください上の写真。大きい石だけでこれです。小さいのまで入れれば穴が埋まっちゃいそうです。あほかと突っ込みたくなるほどです。クワで耕せばクワが曲がります。

これだけの石が多いと根が土を見つけられるかどうかが心配になりますが、石には水はけを良くする、地温を保つ、空気層を作る、余分な養分を与えない、などメリットがいっぱいです。

もしこの畑でなんとか収穫まで行ければ、私の考えてるいろいろな栽培方法を試さなくても相当ハイクオリティなワインが出来ると思います。行ければ、です。ああ、やっぱりドキドキです。


ワインブドウを仮植するためのビニールマルチ(黒)
で、こちらがまとめて仮植しておく畑です。来年の春には掘り起こす仮植でビニールマルチが必要かどうか考えましたが、ここは極寒の標高850mの寒冷地、寒い冬を越すためにはあったほうが良いかもしれないという結論です。とはいえやらなければやらないで寒さ対策も出来ますし。まぁ今年はいろいろ試してみたいと思います。

すべては大切な人と飲みたい最高のワインのために。
信州そらいろ農園のワインにご期待ください。