2011年10月19日

2011年夏,長野の古民家でやったこと

2011年8月12日,古民家にあった桶で水遊びする息子。
かなり遅くなってしまったけどこの夏に私たちが長野の家で行った作業を書いておこうと思う。

もっといろいろ出来るかと思ったけどなにせ素人,仕事が遅くてごめんなさい。
あの山の中に居ると急ぐ気が無くなっちゃう。だからゆっくり楽しんで作業してた。

あとは住み始めてからになるだろう。住み出せば全てがぐるぐる回り出す。
この記事を書いている時点で移住まであと164日。その日を家族で夢見てる。

今回,私は初めて,終の棲家になるこの家と正面から向き合うことが出来たと思う。

今まで見て見ぬふりをしてきた見たくない部分もちゃんと見た。
屋根に登り床下に入り,お隣さんにも言いづらいことも連絡して直して貰った。

修理や増築をいつまでも人任せでやってたらしてたら成長することは出来ない。
出来ないと思っても出来るところまででも,自分たちでやってみることが大事だ。
愛着という意味でも節約の意味でも楽しみという意味でも。

私の人生あと50年をこの家としっかりと生きていきたい。

※詳細な内容は2011年8月の日記を見て頂けたらと思う。

2011年8月の日記
http://ta.yukiboulife.com/nikki/2011/201108.html


※あと,はるばる千葉から手伝いに来てくれた友人達に感謝したい。
彼らとは原発を無くしたい子供を守りたいという意識や価値観も合う。
今の私には貴重な「刺激し会える仲間」だ。本当にありがとう。


●DIY部門
・第二の部屋の床に断熱材を張り,畳からフローリングに
・お風呂上の屋根に波板を張り,瓦を直し,3重のシートを除去
・台所の壁の補修と一部に断熱材入れ
・台所の床の一部の補修と一部に断熱材入れ
・台所の排水溝のホースを変え,排水トラップを仕掛けた
・台所の排水溝をネズミ対策として鉄板でふさいだ(友人)
・台所の汚い机にサンダーをかけて柿渋を塗って設置した。
・台所の水道管の凍結対策をした(友人)
・台所通路の床に柿渋で色を塗った(友人)
・手洗い場の床をジャッキで上げた
・手洗い場の部屋の壁に断熱材入れ
・手洗い場の床に断熱材入れ
・手洗い場の排水溝のホースを新設し,排水トラップを仕掛けた
・手洗い場のタイル容器の隙間をパテでで補修した
・手洗い場の水道管の凍結対策をした(友人)
・石けん部屋のいろりを板で埋めた
・各所のネズミの空けた穴を布や鉄板で埋めた
・ロケットストーブを新たにつくって調理した
・勝手口に鍵をつけた


●暮らし部門
・3m級のよしずを購入,玄関と縁側にセット
・EMぼかしで家から出る殆どの生ゴミを処理し,畑に戻した
・牛乳パック,食品トレイ,ペットボトルの回収場所をチェック
・自家製の梅で梅干しを仕込んだ
・収穫したトマトでトマトソースをいっぱい作った

●農業部門
・雑草を生やした状態での野菜の栽培を試みた
・他の方が作られた自然農野菜の味を試食させてもらった
・野菜の発送,宅配を初体験した
・EMボカシでつくった生ゴミ堆肥を投入した。

★今回体得した技術
・床への断熱材の張り方断熱材の切り方
・波板の設置方法
・かんなの正しい使い方と刃の研ぎ方
・ジャッキで家を持ち上げる方法
・ナタの使い方(木の繊維や木目の見極め)
・段ボールと木材の燃え方や火の持ちの違い
・古い瓦の並べ方
・天然塗料柿渋の色合い,使い方

重くて使いづらい斧で薪割りしたり。。(この後壊れた)
第2の部屋。断熱材を張り,畳からフローリングへ。
流し台スペース。流し台はタイルの物に変える予定。
我が古民家最高のボロスペース。瓦を敷き直して応急処置。

川原で友人とバーベキューしたりお茶したり,釣れない釣りをしたり。

2011年10月16日

親から子へ伝えていくもの

そらいろ農園のあべっちです。
いやー,書けません。書きたいことはたくさんあるのに全然,書けませんでした。

311の原発事故以来,やっぱり気持ちが沈んでるわけです。


 ちなみに嫁さんも自身のブログの記事をもう3ヶ月以上書けてません。
ひねくれた私は以前からテレビなどのメディアが嘘やプロガバンダばかりなのを知っていましたが,
素直な彼女は今回,それを身を持って体感したわけでそのショックは大きかったのでしょう。


願うは日本が,世界全体が,脱原発の正しい方向へ進むこと。それだけです。地球と地球上の生物たちが1年でも長く持つように出来る限りの行動はしていこうと思ってます。

さて今回は先日,長野の家に水くみと夏野菜の撤収作業をしに行ったときの話です。


10月の始め。
ちょうど休みが重なったとのことで母と姉も遊びに来てくれることになった。

うちの母は「この人なら山に置いていっても生きていける」と誰もが言うほどの山好きだ。
週末はもちろん、暇を見つけては車を止めて山道に入る。旅行やハイキングに行く目的は森や林。

彼女の房総の実家の庭は地面はもちろん壁も鉢植えも数え切れない山野草で埋めつくされている。
自然豊かな村なので他にも自然はあるだろうにメジロの夫婦はこの小さな庭に毎日やってくる。

そんな母とみんなで散歩に行くことになった。
母は2歳のわが子はおばあちゃんにだっこされてうれしそう。
おばあちゃん身長153cm,2才半の息子105cmで17kg。…重いでしょ。

秋も深まってきた10月初めということで沿道には見事な枯れススキが群生していた。
これをパキッと長く折り取って息子に渡す母。すぐに剣のように振り回して遊ぶ息子。


ススキを折り取る母と渡されたススキで母を突く2才の息子…

それを見て私もススキを手に取って、ポキっと……あれれ、茎がねじれてしまった。
・・・では、ねこじゃらしのようにスポッと抜けるタイプなのか・・・うーん、抜けない。

母は片手で簡単に採っていた様子だったのに。
結局、両手で茎をねじってねじってねじり切った。切り口がひどいささくれになって汚い。

その様子を見ていた母が私を呼び、
「見て。ススキは上から見ていくと・・・ほら、節があるでしょ。
この節の真上で折り取るの。こうやってね。」
と実演して教えてくれた。

やってみると・・・あら本当!節の真上だとポキッと折り取れる。
すごいやすごいと感動する私たち夫婦に「こんなの誰でも知ってるよ~」と母。
いやいやいやいや、私たちの周りでは数えるほども居ないって。

お月見の時にはススキを採りにくることもあるだろうし、似た植物でも使えるかもしれない。
田舎暮らしの技をどんどん身に着けたい私たちには宝物であることは間違いない。

そこで思ったのだけど、こういう技を親は子供に積極的に伝えて欲しいと思う。
今の時代はネットで料理のレシピでも保存食の作り方でも分かるからと敬遠してないだろうか。
もっと胸を張って教えていいと思うし、子供たちはそれをありがたく吸収するべきだ。

味噌作りや梅干作り、野菜作りに家の直し方など、先祖代々、その地域ごとに家庭ごとに、
大切にわが子へと伝えてきたからこそ今の豊かな生活があるのだ。
親から子へ伝えられていく技はシンプルだけど誇り高くて一生使える大切なものだ。
ほらお金出してわざわざ遠くの料理教室に通ってるあなた、近くに良い先生が居ないかい?

もちろん教わる中には農薬は安全とかデモは駄目などの古臭くて間違ってることもあるかもしれない。
だけど生き物は親の良かったところをさらに伸ばして命を繋げていくものなのだ。
悪いところは捨ててもいいし変えてもいいのだから。そして自分の中に取り入れた知恵や技術を
今度は自分の子供や近所の子供たちに分かるまで教えてあげよう。

考えてみるとおばあちゃんと3世帯で住むのが当たり前の時代にはこういう技術のやりとりは
日常的に出来たのだと思う。だけど離れて住んで電話のやりとりや年に何回か会う生活になり、
教えてもらえるチャンスが少なくなったのではないだろうか。

ほら「お母さん、今度○○の作り方教えて」「親父、雨どいってどうやって直すの?」と
恥ずかしがらずに聞いてみよう。きっとすこし嬉しそうに「あ~、あれはね・・・」と答えてくれるはずだ。


17時のサイレンの音で2歳児を踊らせようとする愉快な家族達。