2016年3月8日

春の土づくり始めてます

あべっちです。心もちはゆっくりと、でも手足は残像が残る速さで春の準備を始めてます。昨日(3月7日)にやった作業の中でも軽トラと乗用車のタイヤ交換、鳥小屋の堆肥かきまぜ、畑に堆肥まきなどは春の準備ですからね。冬が長い分、雪国の人たちは春を待つ気持ちが強いのです。

そんなわけで今回はそらいろ農園の思い切りオリジナル土づくりの方法を書きたいと思います。誰かに真似をしてほしいのではなく、お客様の皆様にこんな風に手間暇かけずに自然に近い形で面白く作ってますよ、というのを見てほしいのです。

■2016年不耕起の畑の土づくり

まずは鳥小屋の堆肥かきまぜです。

外に持ち出して堆肥山に積んでも良いのですが、そらいろ農園の循環農法では鳥小屋の中で出来るだけ発酵を進めます。だってそのほうが楽じゃないですか。鳥小屋の中なら鳥たちが足でかきまぜてくれるので、、なんて書きたいところなのですが「チキントラクター」を期待していると現実は「あぁ~・・・」と声が出ちゃう位、弱いです。人間によるかきまぜが必要です。まぁ3か月に一度ほどね。

そしてこの春の畑の土づくりはかき混ぜておいたウコッケイの鶏糞を使います。鶏糞は窒素・リン・カリをバランスよく含み、中でもリンが多いからか果菜類が良く育つ印象です。化学肥料や市販の化成有機肥料を使わない農家の強い味方です。

自然派な方の記事で家畜の糞は抗生物質やホルモン剤が入ってるから危険なんて定型文をよく見かけますが、うちのは抗生物質もホルモン剤も一度も使ってません。(使い方も分かりません)。それは市販の鶏糞の話なんですよね。まぁ市販の鶏糞のほぼ100%がそうなのだから仕方ないですよね。でもこういう鶏糞もあるってことは頭の四隅に置いておいてください、と私は言い続けます。
サラサラにいい感じに乾いたウコッケイの鶏糞。米ぬかや野菜くずや卵の殻などの食べ残しが入ってるので栄養分は多岐にわたります。水分さえかからなければ匂いは全くしないのでうんことは思えないです。まぁ思い切りうんこなんですけどね。

その他にまくのはかき殻と薪ストーブの灰。かき殻はニワトリ用に買ってあるものですが、これがミネラルやカルシウムになるかなと。 灰は薪ストーブ生活だといくらでも出ますからね。酸度調整と微量要素だと思ってますが、ほとんどが風で飛んでっちゃうので気休めですね。でもやらないとやるでは違うと思ってます。薪ストーブ灰の代わりにもみ殻くん炭を使うこともあります。

 不耕起の畑に土の上から鶏糞堆肥、灰、かき殻をまいたうねのアップ。不耕起なのでこれで土作りは終わりです。5月には苗を植え付けるのですが耕してる畑と差はあっても大差はないくらい程度に育ちます。ただスピードは心配になるほどゆっくりだし出来る野菜は小さいですけどね。

でも農家に不耕起という選択肢もあれば更に持続するのが現実的になります。頂いたトラクターもいつ壊れるか分からないしね。だから不耕起での野菜作りは止められません。

春の土づくりが終わった不耕起の畑。肥沃な場所にしか生えないというハコベもよく生えるようになりました。夏野菜の植え付けが楽しみですね~。おいしい野菜、たくさん出来ますように!あ、ちなみに種の直播は草に負けて全然育ちません。経験から苗の定植オンリーにしてます。


■人間が土づくりなんてしなくていい?
土づくりするぞなんて書くと自然農サイドから「ダメダメ、そんなことしちゃダメ!」と言われるのですが、私は人による土づくりがダメなことだとは思ってません。農家は古来から出来るだけ良いものを作るために頭と体を使って努力を続けてきました。自然に近い、自然に任せるのは大前提で、その範囲で人間が土づくりを後押ししてもいいと思うんです。

例えば私の自給自足生活では山羊、鳥、ウサギの糞が毎日作られます。もしこれらを畑に返すことが自然じゃないからダメであるというなら彼らは地球上でゴミを生み出してることになります。私はそうは思えません。一緒に生きて持続可能、それこそ人類が長く反映できる方法 じゃないかなって。


ちなみに汚い話で恐縮ですが私と息子のおしっこはこのもう3年間、畑の通路に返してます。家畜の糞を使うなという方はきっとご自身のおしっこも水洗トイレに流しておしまいなのでしょう。あなたが1年で、生涯でどれだけ流しているか知ってますか?流されたご自身の糞尿を処理するのにどれだけエネルギーが必要かは知ってますか?


地球上の動物は、人間は、生きていれば糞尿をし続けます。そのことを意識出来てからは、それらをどうやって地球に返すべきかをよく考えてます。水や電気や薬品を使わずに、焼却されて埋め立てたりせずに、です。どうせなら畑に、と私は思ってしまいます。

とはいえ人糞を畑に戻すのはとても勇気のいることだし、それが間違いなくベストなのですが、なかなかそうはいきません。だからこそ、出来る限りでいいので家畜の糞は農家がやさしい形で土に戻してやるべきなのです。同じ地球に生きる仲間なんですから。あ、たくさん入れればいいというわけじゃないですからね。ポイントは量と使い方です。

ではでは、またです。