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夏に毎朝食べてた夏野菜のバジルトースト。ほんとうに美味しかった。 |
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この記事をアップさせてもらった時点で長野移住まであと149日!
さて,今回は4月からようやく本格的に始められる,私のこだわり野菜,またの名を
「理想ばかり並べて本当に出来るのか本人もドキドキ野菜」について書かせてください。
そらいろ農園の今後のやり方や経営理念なども書くメモ的なものなので,かなり長くなります。
それなので今回は興味のない方は読まなくても結構だと思います。(コラー)
▼使う種について
作り始めは無理でもなるべく自家採種して購入するF1種は減らしていく。
なるべく長野で昔からある固定種,在来種を探して育ててみる。
(しかし,意外に農協に行ってもそういう類の物は無いから困る…)
その野菜の旬を大切にする。季節外れの物は作らない。
(ただし,鶏糞の発酵熱や太陽光などによるパーマカルチャー施設が充実してきたら
そのエネルギーを無駄にしないためにも何か作って見るも面白い)
▼害虫対策について
害虫駆除に農薬は使わない。化学農薬はもちろん,牛乳など安心な類の農薬も使う予定は無い。
そしてそれをこうして公言することでそれを確実にしておく。それだけ使いたくないのだ。
「家族が安心して皮や葉っぱまで食べられる食べ物を作る」ことは私の人生の目標。
私の信じるいちばん大切な部分だ。誰になんと言われようともここだけは譲れない。
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とうもろこしの株に1匹ずつ居らっしゃったカマキリ。冗談抜きで本当に1匹ずつ居た。
動画で撮れば良かった。1匹1本が縄張りなのかな。 |
よく「農業をやるには農薬は必要」だとか情けないことを言う方が少なからず居て,
そしてそういう人ほど声が大きかったりするのだけど,それは違うと思ってる。
なにせ世の中には知恵と努力で無農薬野菜を作っている先人が居られるから。
使わないなら使わないに越したことはない。
農薬や化成肥料を使いたく無い理由を具体的に書き始めるとTPPやモンサント社など
政治的な問題も絡んでくるし,私も触ると火傷するほどにヒートアップして長くなるので,
そこは次回に語らせて貰えたらと思う。
除菌や殺虫剤の類ではなく,ヨモギの発酵エキスなどは葉面にスプレーしてみたいと思う。
発酵こそ,これまで大切に受け継がれてきた日本人最高峰の知恵であり,昔ながらの
野菜作りの手助けをしてくれるものだと思っている。
▼施肥と土作りについて
土は耕さないので堆肥も肥料分も地上への施肥となる。
与えるのは生活の循環の中で自給できるものだけにしたい。
●使う予定の肥料や資材
・台所から出たEM生ゴミ,またはミミズコンポストゴミ(ご近所様からのお裾分け大歓迎!)
・毎日のお米のとぎ汁は発酵させて土に散布する。
・鶏たちが作ってくれる発酵鶏糞(与えるタイミングを見極める必要がある)
・薪やロケットストーブで毎日出る灰(アルカリ性を求めるものにだけ使用)
・近所の落ち葉で作った堆肥(未熟な場合は冬の雪が降る前,完熟は2月位に)
ポイントは全てを発酵させてから使うこと。そして土の植えに蒔くことにより,
スピードはゆっくりなれど,じっくりと確実に分解されてから植物の根本へ届くということ。
将来的にはトイレコンポストを作って人糞や犬糞なども発酵させて利用していきたい。
草を残したことで地中の生物も増えた。ここそこを掘れば太いミミズにすぐ出会える。
モグラの通った穴もたくさん見つけられた。これはミミズが増えてきた証拠だ。
ミミズは地上に近い部分の有機物を積極的に食べてくれ,地中へ運んでくれるし,
その糞尿は土壌を健康的にアルカリ性に保ってくれるのだ。
▼雑草対策について
雑草はなるべく狩らない,極力抜かない。
畝の周りが歩きづらい場合,作物が負けそうな場合は刈り取り,その辺りに敷く。
種まきや苗植えのときに邪魔になる場合は根から抜く。
雑草は生き物たちの住処になる。根は土を豊かにしてくれる。
少しずつ雑草なども多種多様な品種になるように工夫をしていきたい。
▼収穫量について
これが私の農法の最大の課題だろう。
この夏の収穫量は最低だった。これでは話にならない。
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9月19日の最期の収穫 |
肥料や資料を自給できるようになってきて土が出来てくれば,収穫量は増えていく。
抗生物質とストレスまみれの鶏が出した鶏糞ではなく,私自身が平飼いで自然に
育てた安心安全な発酵鶏糞で畑が埋め尽くされれば。これには2年はかかるか。
嬉しいことに私のようなやり方は近代農法のように大成功はしないことと引き替えに,
近代農法のような大失敗(害虫大発生,病気蔓延)もしないのだ。
他から見れば貧乏なりとも,家族が笑顔で自給生活をしていける位には上げていきたい。
▼販売と宣伝方法について
満足に作れるようになり,これを他で買わなければ月2万~3万円の収入と同じ事になる。
なにせ都会で買えば2,3倍は高くて田舎では目にする機会も少ない有機無農薬野菜だ。
しかも私は有機野菜協会が認めている「場合によっては化成肥料を使って良い」や
「会が認めた数十種類の農薬なら使っても良い」という曖昧さも使わない。
でもこれも売れなければ生きてはいけない。
宣伝の方法として地域のイベントに積極的に参加して知って貰う,家でも販売する,
ネットショップも満足のいくデザインにする,常連の方にはサービスも考える,
ブログの更新回数を上げて私達の生き方を知って貰う,などを考えている。
以上,偉そうに理想ばかり並べて…と思うかもしれない。
だけどこんな遺伝子操作や農薬や抗生物質まみれの食べ物ばかりが並ぶ時代だからこそ,
利益よりもまずは理想を追う農家が居ても良いと私は思う。(でないとバランスと取れない)
私にとっては人生すべてをかけたこの挑戦が成功するかどうかを応援してもらえたら嬉しい。
日本には私と同じ考えの方も少なからず居ることも知っているので,私はその方達と
一緒にこれからの人生をゆっくりとしっかりと歩んでいきたい。
壁にぶち当たることは多いと思うし,妥協しなければいけないこともあるだろう。
でもその時には正直に発表して行こうと思う。とにかく嘘だけはつきたくないし,
正直にさえやっていけばいつか認めて貰えるとも思ってる。
あと149日。移住したら目がまわるくらい,忙しくなる。
農作業をして,かまどを作って,鶏小屋を作って鶏を飼って,家の掃除をして,
薪ストーブを導入して,出来るだけ電気ガスを使わないように調理して,
子どもともいっぱい遊んで,毎日使う薪を作って,果樹の世話をして,
パーマカルチャー的な物もどんどん取り入れたい。もう止まらない。
だから今は,4月までに出来ることをやっておこう。
今だから出来ることだって探せばたくさんあるはずだから。
余談だけど…。
どんな苦難にも耐えられると信じてるけど,放射線汚染だけは無理だ。
腹の中の子のDNAまで変形させるあの汚染だけは根性で絶えられるものじゃないからだ。
だからもし今度は新潟にある世界最大の原発で事故が起きて長野が汚染されたら私達は逃げる。
例えそこに数十年かけて作った私達の楽園が出来ていても…泣きながらでも,逃げる。