だってほら、自然派ワインのパタポンを造ってるドメーヌ・ル・ブリソーのように、亡くなってしまった旦那(クリスチャン・ショサール)の亡き後に、夫人のナタリーが後を継いで良いワインを造ってる、なんてパターンもあるわけだから。それにワインが出来たら販売担当としてお客さんに説明しなきゃなんてこともあると思うしね。だから伝えておかなきゃということで。
現在定植中のシャルドネの畑。土が出来てないので草の種類が少ない。 |
これから造るワインには強烈な個性が必要だと思う
まず、日本ワインの生産量が年々増えてることは知ってると思う。この言ってしまえば「ワイン造りブーム」の中でこれから100年生き残るには選んでもらえるとびきりの理由が必要だよね。だって私が知ってるワイン造りを目指している方々は大抵の人は魅力的で一生懸命な人ばかり。だから同じ土壌で同じ栽培方法で他の方と私がブドウ栽培をした場合、私のほうが良いものを作れる自信は全くないもの(笑)。
じゃあ3本?50本?100本?の日本ワインが並ぶ中から、どんなワインが選ばれるのだろうと考える。自分だったらどうだろう?って。
ワインを選ぶ基準はたくさんあるのできりがないけど適当にあげて見ると・・・
1.味、香りが抜群に良い
2.可愛いラベル、思い切った価格設定
3.栽培方法が特殊な飲んでみたいワインを造る
4.醸造方法が特殊な飲んでみたいワインを造る
1.味、香りが抜群に良い
もちろんこれが上位になれたら言うことなし。メディアでも扱ってもらえるだろうし、ワイン通はもちろん、一般の方も口コミを大切にするからね。尊敬する山梨のボー・ペイサージュさんレベルの味わいが出せたら。でもあそこは醸造方法が特殊だからね、でもどうせ造るならあそこまで到達したい。じゃないと100年は続かない。
2.可愛いラベル、思い切った価格設定
もちろん可愛いラベル(エチケットともいう)やワインのネーミング、価格設定は大切なポイントだと思う。最初に手にとってもらえるきっかけになるからね。でも一度飲んでもらって満足がいかなきゃ来年はもう買ってもらえない。自分もそうだものね、お客さんだって同じはずだ。だからここで勝負はできない。
3.栽培方法が特殊で飲んでみたくなるワインを造る
ここ、これ!これ一番私が力を入れたいポイント。誰もがやってない栽培方法で育てていればワイン通としては飲みたくなる。そんなワインはワイン会での話も弾むんだ。そういうパフォーマンス的な要素も大切。例の超密植栽培はそのためにやってみる。私自身、どんな味わいになるか興味があるしね。
私が実践してみるチャレンジはいくつもあって、それらの1つ、もしかすれば全てが味わいに「違い」をもたらすと信じてる。ブドウ1房じゃ分からないほど微量な違いでもそれが1Lに、1000Lになれば違いが出てくるんじゃないかなって。それが独自の味わいや香りにも繋がるわけね。「違いなくして違いなし」これは正しいよね。
由紀ちゃんはたまに「最初は普通にやればいいじゃない」と言うけど、普通にやって普通なものが収穫できればそれでもいいかもしれないけど(嫌だけど)、地球温暖化や集中した長雨で病気が多発しちゃってなかなか普通にやっても普通に出来ない時代に入ってると感じてる。予想ではこれからもっと過酷になる。農薬もバンバン使う人はもっと使うようになると思う。普通にやればそうやらざるを得ないんだ。普通だけじゃ難しいってこと。違いが出るように突き詰めていこうと思う。
4.醸造方法が特殊で飲んでみたくなるワインを造る
ここまで話しておいてなんだけど、、勉強してきた結果、もしかすると栽培方法よりもワインの味わいに大きく関係してくるのは醸造かもしれないというのが今の結論なんだ。理由としては一般的な栽培方法で作られた棚栽培のナイアガラを買い取って造ったワインがおいしかったりするから。 もちろん完熟で健全なブドウは前提だけどそれを醸造は生かすことも殺すことも出来ちゃうってこと。
ではワイナリーをすぐに建てるの?
とはいえ、醸造でのいろいろなチャレンジは自分のワイナリーじゃないと出来ない。まずは3を実践して委託醸造でワインを造ってもらって、どんなポテンシャルのワインが出来るかだね。そこであまりにもがっかり&ションボリしちゃうような感じだったらワイナリーは難しいだろう。そんな状態で借金負っても返せないだろうし息子に負債を負わせたくない。私の代で終わらすよ。でももし将来の可能性を感じられるような味わいがあってそれを誰かに評価してもらえたりしたら、そのときは一歩前進してみようと思う。今はそうなるべくしてそうしようとしてるところ。
幸いなことに自給自足生活をしてると例えばヤギと鶏が居る。例えばガスなし生活をしてると毎日薪ストーブの灰が出る。うちでは無農薬の野菜を栽培してるし、由紀ちゃんはアロマとハーブの先生だ。もうすでに個性の塊なんだ。そこから作り出されるワインが個性派にならないわけがないんだ。
オリジナリティあふれる手法でこだわりのワイン作りを続けていけばきっと選んでもらえるものが出来るし、それが出来る環境がもう私たちにはある、ってのが今の結論。あとはもうマイペースに自分の道をゆっくり進んでいけばいいんだよね。
大成功するにせよ、大失敗するにせよ、楽しもうね。
2018.05.02 阿部たけし
去年自作したシャルドネの苗。これ(自作苗)も味わいに個性を出してくれるよね、きっと♪ |
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