2017年5月24日

苗を植え付けてますよ。

あべっちです。農薬への考え方の記事を書いたのですが、インターネットにアップはしませんでした。本当は私のワインのPRのためにお伝えしたいのですが、農薬のことを書けば無農薬を目指す方々以外の大多数の生産者の気分を害する結果になることを私はよく知ってます。彼らを不用意に傷つけたくない。このページをどうか消費者の皆様だけが見てくれたらいいなと切に思います。

とはいえ、私は暇さえあればどうしたら農薬を1mgでも使わずに済むかを考えてしまいます。習ったから予防で農薬をまく、虫が出たから農薬まく、だけじゃ成長はありません。どうして出てしまったのか、どうして広がってしまったのか、被害はどのようなものなのか、その害虫はその後どうなったのかなどを観察して踏まえてもうなるべく出ないようにもっていくことが大切です。

有機認証されたボルドー液(硫酸銅)がかかったワインブドウの果実
食べて飲んでおいしいのは当たり前ですがそれ以前に安心・安全じゃないと私は楽しめません。きっと奥さんもそう答えるでしょう。だからそらいろ農園は今後もそこは大切にしたいと考えてます。無理だと言われた各種野菜では出来たんですから、果樹でもやり方次第で実現出来るでしょう。

さ、暗い話はこのくらいにして明るい話題を(笑)。
いよいよ、苗を植え付けてますよ。

植えられるのを待つシャルドネの2年苗。(これは種苗業者から購入したものです)
根っこはよく伸びて良い苗だと思います。そしてこの見事に伸びた根っこを・・・

半分以下まで切っちゃいます。かわいそうですがこの方が新しい根が出てくるんですね。

根を切ると短くなった根を下に向けて植えつけることが出来ます。これにより下に根を向かわせることも出来るわけです。

でかい石がごろごろしている圃場なので植え付け時にもそれを利用します。石があれば排水性も増すし、地熱も保温しますし、根域制限にもなります。これぞテロワール。こんな好条件でおいしいワインが出来なきゃ恥ずかしいです。

圃場の雰囲気もとても大切。なので支柱は木にしました。トコトン、こだわりますよ。



2017年5月16日

バックホーの免許取りました

平らで広い農地は大きな農家に借りられるのですが、傾斜があって狭くて使いづらい畑はどんどん遊休荒廃地になってます、こちら信州長和町のワインの担い手の39歳阿部です。


傾斜がきつ過ぎる、狭くて使いづらい、獣害がひどすぎる、そもそも担い手が居ない。いろいろな理由で遊休荒廃地となってしまった広大な農地。大規模農家も新規就農者も広くて平らなところを選びますし、それは当然だと思いますし。

でも誰かがやらねば。マイナスをプラスに変えねば。求められるのは切り開く力です。

そんなわけでバックホーの免許を取っちゃいました。これで整地したり石垣を崩したりじゃんじゃん出来ます。

ワイン栽培は山の急斜面でも出来る山間地域の救世主だと思ってます。とはいえ、斜面の畑で作付けするのはとても大変で強い情熱が無ければできません。いつも胸に炎を燃やして頑張りたいと思います。
新たに植えつけたワインブドウの挿し木2000本。保存状態が悪い木も多いので期待は出来ませんが、そらいろ農園の凝縮感のあるワインのために1本でも根付いてくれたら嬉しいです。

2017年5月14日

今日も苗作りしてます。山菜も獲れてます。

よく晴れた日曜日です。長野県でワイン栽培を始めた阿部です、こんにちわ。

昨日は1日けっこうな雨天で農作業が出来なかったので(とはいえ鶏の世話と卵拭きと山羊の世話と草刈りはやったのだけど)、まずは溜まっていたことをいろいろやりました。

例えば髪の毛のカット。私と息子の髪はもう5年間も奥さんである由紀ちゃんに切ってもらってます。「最初は難しくても継続してれば上手になる」と深々と頭を下げてお願いして以来、今では青空美容室で10分ほどでとてもカッコよくカットしてもらえます。

「いつ生まれるか分からないんだからお願いします」と奥さんに10回くらい言われていたベビーベッドも組み立てました。これ、奥さんの友達が譲ってくれたものです。最初の子供の時も市川の友達が貸してくれたんですよね。うれしいし助かります。

そらいろ農園の山菜の畑のタラの芽スペース
今年は遅れていた山菜もこの雨で出始めました。上の写真は家を買ったら付いてきた通称「山菜の畑」です。うちではワラビ、タラの芽、フキ、コシアブラ、ウドが収穫出来ます。

こちらはタラの芽。大きくなってもテンプラにしてカラッと揚げれば全然食べられます。これはウマいです。量はこのくらいしか獲れませんがカットして水つけて出したものより断然こっちがおいしいと思います。

ワラビも生え出して、今がピークです。あと5日早く出てくれてたらGWに遊びに来ていた母に山ほど持って帰ってもらったのに!

とても食べきれない量が連日獲れてます。何も世話要らずで毎年生えてくれるのだからありがたいことです。少しだけコシアブラも獲れました。うちはワラビよりコシアブラのほうが食べるのでこっちを少しずつ応援して育てていきたい。
そして本日、日曜日はワインブドウの挿し木作業がメインです。この写真だけで2000本ありますがこれを全て今日中に挿し木したいと思います。これでもう9000は行ったと思いますが、とりあえずのこの春の目標の10000本は余裕で達成出来そうです。

家の前で作業してたら山羊を見に来たご夫婦に「ワオ!これ全部ブドウなんですか!?スゴッ」と驚かれました。ははは、おそらく挿し木している本数個人の部では日本一でしょう。まぁ日本一じゃなくても良いんですが、数を造れば選抜した良い苗を植えられるというメリットも生まれてきますからね。良いワイン作りに妥協はしません。

そらいろ農園のおいしいワインに期待してください。今日も頑張ります。

2017年5月8日

ワインブドウ挿し木で7000本突破、そして芽が出始めました

挿し木されたそらいろ農園のワインブドウ苗
こつこつと平日も土日も朝も夜も、時間を見つけては穂木を切り続けて植え続けて、ついに苗木(挿し木)が7000本を突破しました。そしてうれしいことに・・・。

発芽してきたワインブドウの挿し木苗
どんどん発芽してくれてます!4月18日頃からさし始めていたので20日位かかりました。小さな芽が少しずつ膨らんでいき、葉が開いていく様は感動です。毎日朝晩のビニールトンネルを開け閉めやジョウロでの水やりの苦労が報われます。

品種によっても早さが違うようでネッビオーロ、シャルドネが早いです。萌芽の早さは早熟か晩熟によるなのかと思ってましたが晩熟のネッビオーロが早いのは意外だなぁ。同じ樹から取った枝は全て同じクローンのはずなのですが、切り方なのか部位なのか、個性を感じます。

…と喜んでおりますが挿し木の場合、実は勝負は葉よりも「根が出るかどうか」なんです。芽は貯蔵養分で出ますが、それ以後の成長には発根が必要不可欠。頼むぞーーー。

買ったシャルドネの2年苗
こちらは仮植している2年苗のシャルドネ。こちらも葉が出始めました。あくまで仮植なのでこの状態で長期間保存するのはマズいのです。一刻も早く自分の圃場に植えたいのですが町の圃場の仕事やJAでの研修、その他の仕事との兼ね合いでネット張りが進まず、なかなか植え付けが出来ません。とはいえ問題を解決して来週には植えたいと思います。

そして私が朝も夜もぶどうのことを考え、ワイン作りに没頭させてもらえてるのは家族の支えがあるからです。息子もいつも畑に出てきてくれまして、たまーーーにですが挿し木の手伝いをしてくれてます(笑)。
ワインブドウの挿し木を手伝ってくれる8歳息子。
8歳にしていっぱしに「これシャルドネ?」とか言うんです。将来有望ですね。
ではまたです!

2017年5月4日

圃場整備を進めてます

最高の気候が続いてますね、阿部です。そうなんです、この季節に吹き抜ける風のすがすがしさや新緑の葉っぱや空の色が私たちを魅了して長野への移住を決意したんですよね。6年前に家族で物件を見に来たのあの日を思い出します。

長和町の新緑(不動の滝)
さて、圃場の整備が続いてます。業者に頼むと数億円かかると聞いたとき、ならば自分たちに圃場の整備をやらせてくれませんか?と町の方にお願いしました。それなら大切な予算も削減出来るし、自分の成長にもなるからです。 

そして私が遊休荒廃地にこだわる理由は今使われている農地を栽培を辞めさせてワインブドウを栽培するのではなく、荒廃地を有効利用するからこそ意義があると考えているからです。使う気が起きない農地を「価値ある場所」に変えてしまえば私が絶えた後でも数十年は土地、地域が生きることでしょう。


今回の圃場は同じ長和町でぶどうを栽培するJA研修生のN嶋さんの分と隣り合わせ、というかくっついているので圃場整備などを一緒に頑張った後に、分けて使うことになりました。じゃんけんなのかあみだくじなのかはこれから決めるとして、ともあれこれからあとそれぞれに最低19反の農地が割り振られる予定なので、この程度の農地の整備はテンポよく進めていかないといけません。


クワ(かいこの糸)の栽培から何も作られてなかった圃場は、この辺りだとカヤに覆われて大変なことになっているので、まずはそれをビーバーでなぎ倒しました。ちなみにカヤはカヤぶき屋根にも使われている丈夫な素材なので土壌改良に有効かもしれませんね。

ワインブドウ圃場の整備で重機を扱うN嶋さん
次にバックホーで石垣を取り除いたり道を作ったりする作業。重機関連はN嶋さんがウキウキしながらやっていて、本人も「あれはおもちゃだよ、楽しくて時間を忘れてやっちゃうねー」と言っていたので任せることにして(コラ!)、私は周りの木をチェンソーで切り倒したりしてました。ツタ系の雑草がやっかいで時間がかかりました。こりゃ思った以上に大変です。


いろいろな方のお手伝いもあり真ん中にあった石垣もきれいに取り除かれました。まだボコボコしてますが、機械をあまり使わない予定の私はこれで十分とも思ってます。

苗の植え付けまでに次にやるべきは獣害防止のネット張りです。見た目もかっこ悪いのでやりたくないのですがこのエリアでは必須になります。糞や足跡が残っているのを見ると鹿もイノシシもたんまり出てくるでしょう。やるしかないのです。


しかしやはり。石が多く、杭が入っていきません。ハンマーを振り下ろして力いっぱい叩きつけてもスチール製の杭が曲がります。そんなときは少しずらしてやり直し。歯を食いしばって頑張りました。こんなときは田舎暮らしの自給自足を始めて5年、薪割りなどで鍛えてきた体が役に立ちます。プログラマーや学校の先生を仕事にしていたころとは比べ物になりません。

連日の作業で帰宅後も足腰と掌が痛くてたまらず、なかなかの状態ですが、今は夢の舞台づくりなのです。やりたくてやってることですから、次の日になればまた力が湧いてくるから不思議なものです。家族と自分のために、出来ることを一生懸命やります。


ネット張りが終わればいよいよ定植です。ワクワクします。