2017年4月20日

ワインブドウ栽培の行き着くところが密植である


長和町でワインブドウ用の苗床を作る様子
いよいよ本格的に春いてきましたね。標高の高い長野県では日差しが強くなります。風はまだ冷たかったりするんですけどね。さて阿部です。ワインブドウ用の苗を育てるための苗床(なえどこ)を作りました。ピートモスをまぜた土をトラクターで耕したところに黒ビニールマルチを張ります。ずっとやりたかった作業なので心躍りました。

発根促進剤のルートンをまぶす様子
植え付け前、切り口に発根促進剤のルートンをつけます。研修の仕事やいろいろな兼ね合いで植え付けが遅くなってしまったので発芽率が心配なので出来るだけのことはやっておきたいのです。 ルートン、ピートモス、不織布、ロックウールなどで3万円位の出費になりましたが夢のためなら仕方なし。おいしいワインを作れさえすれば大丈夫なのです。



 「ワインブドウ栽培の行き着くところが密植である」

上の言葉は尊敬する山梨県のドメーヌオヤマダの小山田先生が千曲川ワインアカデミーの講義中に言った言葉です。1年も授業を受けているとその言い方や間から彼が強く想っている箇所が分かるようになるものです。私はここが大切だと思ってノートに太い赤線を引きました。

小山田先生が教えてくださったご自身も実践されている現代のワイン栽培のトレンドの植栽本数は一反(1000m2)で500本。これは株間1m(ブドウの樹と樹の間)で畝間2m(通路の間隔)で植えたときの本数。実際には圃場は真四角ではないし、軽トラの入れる通路などを踏まえれば実際には一反400本くらいに減ります。

私は最低20反(2町)のブドウ畑を管理するので、この植栽方法だと8000本の苗が必要になるわけです。かなりの本数です。しかしながら、実は私はこれ以上の密植にチャレンジしてみようと計画してます。

それというのも例えばフランスはサンテミリオンのシャトーアンジェリュスが樹幹0.9mの畝間1.35mで植栽してます。これだと反当り650本~760本の植栽本数になるとのことで現在の日本のトレンドの倍近いのです。

もちろん、ただ日本で超密植をすれば病気に襲われることは明白。それでなくても自然派の私が育てるワインですから農薬をバンバン使うわけにはいきません。なのでそれなりの対策が必要になります。樹の世話も同じ広さの畑でも樹の数が増えればそれだけ手間は増えるわけで時間も取られます。でも、それで少しでも良いものが出来るのであれば苦労は惜しむつもりはありません。

ともあれ、そらいろ農園のおいしいワインにご期待ください。


苗床に挿されたワインブドウの穂木。写真は480本植えたところ。

そんなわけでマルチを張り終えた苗床に480本のワインブドウ苗(シャルドネ)を刺しました。超密植栽培では1反600本の苗をつかうことになるでしょう。必要本数はあと10000本…。とんでもない本数です。仲間との兼ね合いや台木が手に入らない問題もあり今年全て用意するのは不可能っぽくなってしまいましたがまだ来年もあります。おいしいワインのために実現させたいと思います。

あとはちゃんと根付くことを願うばかりです。神様、お願いします!(こんなときだけ神頼み♪)

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